日々の記録

生後8カ月でお迎えした柴犬なつめと暮らしています。アイコンは先代柴犬よもぎ(2007~2022)です。

ピアノ

絵を描くのも書を書くのも、昔からからっきし苦手である。以前書いた通り、歌も音痴。芸術系の力がてんでない。

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そんな私であるが、5歳から中1の4月までピアノを習っていた。自分から習いたいと言ったことだけは覚えているが、最初両親は難色を示したそうだ。どうせ思い付きで言っているだけ。しかし、粘り強く「習いたい」と言い続けたらしく、祖母が「そんなに言うなら習わせてあげたら」と後押ししてくれたそうだ。

年配のご夫婦主宰のピアノ教室。最初に行ったとき、手の大きさを褒められた。今思えば本格的にピアノをやる子向けの教室だったのだろう。バイエルなどから始めるクラッシックピアノで、アニソンやポップスなどは一切弾かなかった。発表会もなかったけど、私にはその方が合っていたと思う。

中学生になって部活に入ると、時間がなくなってしまって辞めた。周りには続けている子もいたので、続けることもできたと思うが、そのころにはピアノ熱もだいぶ冷めていた。

だけどそれから約1年経って、再びピアノの練習をしなければならなくなった。合唱コンクールの伴奏者を決めるのに、なぜか私も候補に選ばれたのだ。小学校の音楽会で伴奏をした情報が持ち上がったのだろうか、音楽の先生が決めた。「私はもうやっていないんです」と言いにいったが、聞き入れてもらえなかった。

次の授業時にできたところまでを発表し、それを聞いて決めることになった。

1年以上ぶりに触るピアノ。しぶしぶ練習した。

そして1週間後、クラスのみんなの前でどうにか途中まで弾き、当然のように別の子に決まった。伴奏者に選ばれてもそれはそれで困ったが、「だから言ったのに」と多感な時期の私の心には黒いもやもやが広がった。それ以来全く触っていない。

 

そんな苦い思い出を塗り替えてくれる番組に出会った。NHKBS1で放送されている『駅ピアノ、空港ピアノ、街角ピアノ』である。ストリートピアノの演奏を定点カメラで映している。ちょうどコロナ禍になったころに知り、2020年一番ハマった番組。

まずピアノを聴くのが楽しい。聞いたことはあるけど、タイトルを知らない曲がたくさんあって、それらをメモりまくった。タイトルを知っていればいつでも聞けるし、日常でその曲に反応する機会も増えた。

一番印象に残っているのは、番組内でも多くの人が弾いていた久石譲作曲の『Summer』 。映画『菊次郎の夏』の主題歌という。外国の方も弾いている人がいた。これも聞いたことがあるけどタイトルが分からない曲だった。

ナレーションはないのだが、演奏中、その演奏者について語る字幕が流れる。ピアノを始めたきっかけやどんな人生を送ってきたのか、それらを見るとより味わい深く聞こえるのだ。

それにしても子どもから大人までピアノが弾ける人ってこんなにいるのだなあと尊敬する。YouTubeを参考にして独学で学んだという人も結構いる。

不定期放送、さらに再放送も多く、最近見る頻度は減っているが、こないだ久しぶりに見たら心がぶんぶん揺さぶられた。

私もやってみようというところまではまだいっていないけど、ピアノに対する憧れが強まった。調べてみたところ、初心者向け鍵盤ならすぐに手に入りそう。最初はそれこそYouTubeからすぐ学べる。そこからさらにやりたくなったら教室に通えばいい。その気になればすぐに始められそう。

ピアノに対する嫌な気持ちから解放してくれたこの番組が長く続いてくれることを願う。