日々の記録

生後8カ月でお迎えした柴犬なつめと暮らしています。アイコンは先代柴犬よもぎ(2007~2022)です。

たけのこ目利きの教え

この季節、一度は食べないと気が済まないのが筍。

先日、スーパーで山積みになっているのを見て、待ってましたとばかりにかごに入れた。筍ご飯と木の芽和えにした。おいしくできた。

筍ご飯

筍の木の芽和え 
お飾りに木の芽の葉をとっておけばよかった

あっという間になくなり、一度では気が済まなかった。また筍料理をしようと再び買いに行く。

スーパーの筍売り場。選んでいると、女性が話しかけてきた。私は外見で人の年齢の見当をつけるのが苦手だから当てにならないのだが、70代くらいか。判断基準は自分の母親。母よりも少し上に見えた。「筍はね、皮の色が薄いのがおいしいのよ。私は筍がよくとれる地域で育ったからわかるの。ほら、これとか」と筍をひとつ差し出してきた。突然のことに促されるまま受け取る。

すると今度は後からやってきた別のお客さんにも同じことを言い、選んであげていた。店員さんではなさそう。ありがとうございます、とお礼を言ってその場を離れた。

目利きが選んだ筍。昨日ゆでてみた。ちょっと味見。そういわれてみると、こないだのものよりも甘い気がする。なるほど皮の色が薄いものかあ。それはちょっと茶色っぽい、赤っぽい色をしていた。私の中で筍と言えば「黒!」だったのでイメージが覆った。

今度はおかかで煮て土佐煮。作りながら、急に話しかけられてちょっと身構えてしまったことを反省した。見知らぬ人に声をかけられると面倒なことが多かったし、とこれまでのことを振り返る。一番多かったのは「手相の勉強しているんですけど、見せてもらえませんか」だった。

いや、そんなことばかりでもなかった。数年前、美術館の前で入場料を払おうと財布を準備していたときのこと。

女性が近づいてきて「この展覧会、これから観るんですか?」と尋ねてきた。このときも構えて「はい、そうですけど」怪訝そうな顔をしてしまった。すると「これよかったら使ってください。使わないともったいないし」と優待券を差し出されたのだ。あのときも申し訳なく思った。

せめて、声をかけられた瞬間はフラットな反応をしたい。

筍が売られている時期は、桜が咲いている時期と似ていると思う。こないだ出たと思ったらもう終わり。もしまたお会いできたら「あの筍おいしかったです」と伝えたい。

筍の土佐煮