日々の記録

生後8カ月でお迎えした柴犬なつめと暮らしています。アイコンは先代柴犬よもぎ(2007~2022)です。

また犬と暮らしたくなってきた

なんかわかるなあ。

村井理子著『村井さんちの生活』を読んで同じような気持ちになっていた。

この本には、愛犬を亡くした著者が再び犬を飼い始めるまでの経緯が書かれている。

よもぎが亡くなり、もうすぐ7か月。

不思議なことに最近犬とまた一緒に暮らしたいと思っている自分がいる。

半年前はよもぎじゃないと嫌だ、だからもう犬は飼わないと強く思っていたのに、時間というものは気持ちを変える。亡くなった直後はいろいろ考えたが、長患いもせず、息を引き取るときにはそばにいれてよかったのだと思えるようにもなっている。それに最近思い出すよもぎは、元気だったときのことが多い。

自分のことを情に厚いほうだとうぬぼれていたが、そんなことはないと明らかになった。

村井さんは「ペットを飼うにはお金がかかる」それに「行動も制限される」、でも「犬のいない生活は楽しくない」と犬をお迎えすることにした。

 

私もなぜ犬と暮らしたいと思うのか、どんなところがよかったのか、よもぎとの生活を振り返ってみた。

まず、犬のイメージをことごとく裏切るよもぎが面白く、毎日が新鮮だった。

犬と言えば「忠犬」という言葉があるように、飼い主に忠実だと思っていた。しかしよもぎは内弁慶。外では愛想をふりまいて「THE忠犬」を演じるが、家では犬が変わったようにふるまう。マイペースが激しい。

 

①「おいで」と呼んでも来ない。冷めた目をして「わたしが行きたいときに行くわ」というスタンス。「おいで」と言った後は、いつも白けた空気が流れる。

②人の生活ペースに動じない。朝人間が起きてバタバタしていても、眠いときは起きてこない。犬は人を起こしにくるくらいだと思っていたのに、まさか犬を起こすなんて夢にも思わなかった。

③基本、一定の距離を保ちたがる(これを「柴距離」と呼ぶらしい)。こちらが顔を近づけると唸る。ただし自分からはOKで、ごくたまにではあるがすれすれまで顔を近づけてくる。

④すぐに飽きる。

洗濯物を干したり、庭仕事をしようとすると使命のようにお供についてくるのだが、いつまでもは横にいない。ふと気づくとひとりで帰っている。

あるときは「撫でて!」とやってくるも、ある程度で「もう結構よ」と手を振り払い、きびすを返す。

⑤自分の時間を確保したがる。ときどき「ひとりになりたい」と言わんばかりに、すっと違う部屋に移動する。

⑥えり好みが激しい。同じごはんが続くと拒否する。ローテーションに頭を悩ませた。

食べ物がごほうびという概念が覆り、したがって食べ物で釣るというしつけは彼女には通用しない。

⑦ストレートに要求をぶつけてくる。こちらの都合なんてお構いなし。こっちが着替えていようが料理をしていようが、外へ行きたいと思ったら外へ行く。

⑧こちらが強い口調で言ってもひるまない。こっちを真っ直ぐ見て何か言いたそうな顔をする。

 

こんなふうにマイペースでいられるよもぎがまぶしかった。誰の顔色をうかがうことなく、自分の要求を主張する。だからこちらも遠慮なく正直な気持ちをぶつけられた。

もっと言うと「そんなマイペースよもぎを自然に許せている自分」が好きだったのかもしれない。

たとえば自分が作ったものを家族が気に入らなかったら、仕方がないと思いつつも残念な気持ちになるんだけど、出したごはんをよもぎが食べなくても、怒りもないし傷つきもしない。相手が人間だったら出てくる、怒りや悲しみといった私にとっての「負」の感情、遠慮という自分を抑える行動。よもぎ相手だとこれらが不思議と出てこないのだ。コントロールできないことに対しても穏やかでいられる自分がいることに驚いている。

 

こういったよもぎの性格はどうやら柴犬あるあるらしい。ということは、犬というより柴犬がいいのだろうか。私が好んで見るから、私のスマホには「言うことをきかない柴犬」が次々と流れてくる。

そういえば、以前ブログかツイッターかで「亡くなった犬と同じ犬種の犬を再び飼い、その犬に同じ名前をつける人の心理が分からない」というようなことを書いている人がいた。そのときは私も同感だったのだけど、今はちょっと違う。

よもぎを飼い始めた当初、柴犬はみんな同じに見えた。そんなクイズは誰も出さないけど、たくさんの柴犬の中から我が子を見つける自信もなかった。しかし、何年も一緒にいるうちに違いが分かるようになった。みんなそれぞれ違った姿かたちをしている。

ただ同じ名前をつけようとは思わない。つける人は、二代目○○のように歌舞伎役者のようなイメージなのだろうか。

 

私の一存で決められることではないし、決断にはまだ時間がかかりそう。命がかかっている問題でもある。慎重に検討したい。

2019年5月撮影
よもぎが寝ているので、いつまでも片付けられなかったこたつ

2020年12月撮影
ときにはストーブの取り合いになることも