日々の記録

生後8カ月でお迎えした柴犬なつめと暮らしています。アイコンは先代柴犬よもぎ(2007~2022)です。

断捨離で前を向く

断捨離のスイッチが入るきっかけは靴下だった。
靴下を入れている引き出しがパンパンになって閉まらなくなってまい、重い腰をあげて整理を始めた。
そしたら。色褪せたり毛玉だらけの靴下が出てくる出てくる。なかなか物が捨てられない性格なので、まだ履けるかどうかだけを考えていると判断が鈍る。
掃除に使って処分しよう。拭き掃除する道具の中にひとまとめにする。掃除に再利用できるものはまだ決断しやすい。

そこで勢いついて洋服にも手を出した。気になり始めるとすぐ行動しなければ気が済まない。夜11時から服の整理が始まった。

衣装ケースにはここ数年着ていない洋服がたくさん。
そもそも買いすぎなのだ。毎日どこかへお出かけするわけではない。冷静になって日常を振り返れば、今一番よく着ているのは部屋着である。

ずっと気になっていた、もう着ないけど捨てられない洋服たち。母からもらった高そうなブラウスやスカート、祖母からもらった冬用のコート、そして花柄のスカート。
花柄のスカートは就職した年の7月1日に購入したものだ。なぜ日付まで覚えているかと言うと、その日は夏のバーゲン開始日だったから。
大学生のとき、東京に遊びに来ていた母と銀座を歩いていたら、あっちでもこっちでもバーゲン。7月1日はバーゲンの日だと知る。そんなつもりはなかったのに、急遽買い物三昧の日となった。思いがけない戦利品の数々に母とほくほくした記憶が鮮明に残っている。それ以来、毎年この日を楽しみに待っていた。
それなのに!
待ちに待ったバーゲンを目当てに行ったのに、セール除外品のそのスカートを気に入り、定価で買ってしまったのだ。
でもこのスカートは大正解だった。当時今よりも5kg以上体重があり、体型を気にしていた私。このスカートを履くとすっきりして見えた。自分が良さげに見えるような気がした。それから4~5年くらいは夏のレギュラーとして大活躍してくれたのだ。
ケチな私でも、もう十分元はとったと断言できる。それにここ数年はまったく着ていない。もう手放すときだ。でもなかなか手放せずに何年も経っている。
思い入れが強すぎるのが原因だということも自覚している。就職したてで、まだあまりお金に余裕がないときに頑張って買った服。買って失敗した服は山ほどある中で、成功した服。

しかしこれを手放せないということは、過去のいい思い出にしがみついているということである。もういい加減そんな自分にも飽きてきた。
前を向こう。写真を撮って、断腸の思いで処分した。
大丈夫、物がなくなっても思い出までは消えない。私の糧になっている。そう言い聞かせて。

今の私の生活に一番必要なのは、着心地がよくて作業しやすく、宅急便が来てもためらわず出られるような服だ。もう少し欲を言えば、近所のスーパーまで買い物に行けそうだとなおよい。調べてみたらワンマイルウェアと呼ぶそうな。
夏に向けてそんな服を探そう。シンプルだけど綿や麻などの素材にこだわった、リラックスできる服。それで今年も暑くなるであろう夏を乗り切るんだ。
午前1時、そう決心してベッドに入った。

今までありがとう