日々の記録

生後8カ月でお迎えした柴犬なつめと暮らしています。アイコンは先代柴犬よもぎ(2007~2022)です。

1ヶ月早く届いたバースデーカード

タマさんは大学時代の友人。同じサークルに所属していた。

入部してすぐのころ「下の名前で呼ばれてもピンと来ないから名字で呼んで」とみんなに触れて回っていて、タマヤマ(仮名)だからタマさんになった。

日本文学専攻で、万葉集とか古今和歌集とかに詳しかった。自己分析の「心配性」を地で行く人で、お昼に新宿で待ち合わせ、というときに青梅から始発でやってくることも1度や2度じゃなかった(新宿ー青梅間は約1時間10分)。

また「完成した卒論に納得がいかない」という芸術家のような理由で、卒業を1年延ばした強靭な心の持ち主でもある。

 

そんなタマさんだけど、思わずクスッと笑ってしまう面も多々ある。

頻繁に連絡をくれて、うちのよもぎ(故犬)のこともよく気にかけてくれたのだけど、「ワンちゃん元気? 名前なんだったっけ。『わさび』だっけ?」

惜しい!おそらく「緑色」で「香りが強い」「食べ物」から導きだしたと思われる。

 

最新のエピソードは今年2月の頭にさかのぼる。

タマさんらしく、前もって「明日カヌレが届きます」と連絡があった。

翌日冷凍カヌレが送られてきた。でもなんか様子がおかしい。2箱も? と思いながら開けると、まず高さ8センチくらいのプレーンカヌレが8個。もうひとつは高さ3センチほどの、ひとくちならぬ半口サイズの小さいカヌレ

この小さいほうはいろんな味があった。ヘーゼルナッツ、アーモンドなどのナッツ類、抹茶やほうじ茶などのお茶類、それにチョコ系、ドライフルーツ系などなど。この小カヌレ8個×4箱。

大小合わせて40個もある。確かにカヌレ好きとは言ったけれど。

お礼を言ったら「どっちにしようか迷っていたら、両方ポチってしまった」とのこと。

しかも私の誕生日プレゼントだと言う。私の誕生日は4月だ。しかも下旬。「じゃあ早めの誕生日プレゼントということで」ということになった。

これは3月のタマさんの誕生日にプレゼント欲しいというアピールなのだろうか、という芽が出かけたが、すぐに摘み取った。いや、タマさんはそんなまわりくどいことはしない。

タマさんへの今年のプレゼントは、このときもうすでに決まっていた。今自分の毎日の習慣になっている、国産の生はちみつ。

知人の知人が養蜂家をやっているというご縁でいただいたのがきっかけ。ひとくち食べたらはちみつの概念が覆った。雑味がなくすっきりとした味わい。さらに花の種類によって味や香りが全然違う。はちみつって奥が深い!と感動した。

このような経緯で、今自分の中で旬のこの生はちみつの食べ比べセットをプレゼントしようと決めていたのだ。

誕生日に届くように手配。当日早速連絡が来てものすごく喜んでくれていた。「涙がでるほどうれしい」とあって、そんな大げさな、と思いつつも嬉しかった。そして「次は(私の名前)の誕生日だね。カードを送ります」と続いた。

 

家族で「おいしい」と言いながらこまめに食べ続け、40個あった冷凍カヌレも残り2個となった1週間前のことである。

「ちょっと早いけど」という断りつきのカードが送られてきた。1カ月早いバースデーカード。相変わらず行動が早い。今年はさらに早くなったかも、と思いながらデスクに飾った。そういえばクリスマスカードも11月に送られてきたっけ。タマさんらしさはずっと健在だ。

 

誕生日は今でも特別な日と意識するし、おめでとうと言われると嬉しい。年を重ねられるということに感謝しなければいけないのだが、年々どうしてもまた1つ年をとるのか、という気持ちにもなる。

でも1週間ともに暮らしたカードを見ると、現実には見たことがない2段ケーキと、笑顔いっぱいのディズニーキャラクターたち。ハッピーな気持ちになる。

こんな気持ちになりながら誕生日を待つのもいいかもしれない。

1カ月早く届いたバースデーカードは心境の変化をもたらしてくれた。