2023年3月16日:犬が食べるりんごと食べないりんご
あっ、これはよもぎも食べるりんごだ。
朝、習慣となっているヨーグルト用のりんごを切って、味見。しゃりしゃりしていて甘い。うん、これならよもぎの口にも合うだろう。家族にも声をかける。
「今日のは食べるんじゃないかな」「うん。合格がもらえそう」
亡くなってもうすぐ5カ月というのに、私たちはまだよもぎがいる空気をまとって生活している。
よもぎが好むりんごは、まず歯ごたえがあること。もわもわ柔らかいものはにおいで分かるのか、差し出しても、ぷいっと横を向く。
第一関門を突破した後に待ち受けている審査は、味。歯ごたえがあればとりあえず口をつけてもらえるが、甘くなければそのままボトッと床に落とす。
あのー。それ、人間は食べるのですよ・・・。
そして一番重要なのが、切りたてのフレッシュさ。切って1時間経つと、もう即却下。味の違いが分かる犬、恐るべし。
別にりんごを食べさせなくてもよいのだが、台所で何か切っていると、もれなく覗きにくるので、「食べる?」とついつい声をかけてしまっていた。普段、名前を呼んでもなかなか来ないので、近づいてくれると嬉しくなって、ついつい甘い顔をしてしまっていた。
お犬様のお眼鏡にかなうりんご。私たちの目や舌も鍛えられたのだった。