お別れから1年、よもぎへ
よもぎさん、あなたとお別れしてから、ちょうど1年が経ちましたね。今年の夏は長かったけど、朝晩冷え込むのは去年の今頃と同じです。去年は最低気温を欠かさずチェックしていたからよく覚えているよ。
今、うちにはなつめという1歳になったばかりの柴犬がいます。あなたはシュッとしていたけど、なつめはでーんとしつつ、かつせわしい子で、間違いなくあなたにもぐいぐい絡んでいくことでしょう。
屈託のないいい子なんだけど、あなたが一番嫌いなタイプなので、一緒に暮らしたらと想像すると、あなたの迷惑そうな顔が目に浮かびます。
同じ柴犬だからあなたと暮らした経験が生かされると思ったけど、やはり性格は違うものね。
それにあなたとは15年以上の付き合い。あなたの言いたいことがほぼ分かるようになったのは、この長年の積み重ねがあるから。
まだ出会って4か月ほどのなつめの想いがよくつかめていないのは当然よね。気長にやっていこうと思います。
あっ、でも、なつめをお迎えするときに、ベッドではなく座布団を用意したのは、あなたが座布団好きだったから。
なつめも気に入っていて、最近寒くなってきてホットドッグベッドを用意したのだけど、全然使ってくれないほど。
それに、お庭でくつろぐ場所も似てきました。最近なつめもよく紫陽花の下にいて、気持ちのいい場所は同じなんだと思ったよ。
なつめが来る前は、晩年のあなたを思い返していたんだけど、なつめを見ているとあなたの小さい頃のことをよく思い出すようになりました。
そしてよもぎのときはこうだった、とよく家族と話をします。だからなつめの成長とともに、その年齢のあなたを思い出すことでしょう。
気が進まないかもしれないけど、妹なつめが健やかに育つよう力を貸してね。
頼りにしてるよ、よもぎ姉さん。