日々の記録

生後8カ月でお迎えした柴犬なつめと暮らしています。アイコンは先代柴犬よもぎ(2007~2022)です。

どちらか迷ったときに思い出すアドバイス

大学時代、ボランティアと名のつくサークルに所属していた。障がいをもつ子どもと遊ぶことが主な活動である。

当時子どもにも福祉にもそんなに興味がなかった私だが、大学外の人とも関われることと、大学公認のサークルだったことがアンテナに引っ掛かり、説明を聞きに行くと、そこで対応してくれた先輩が素敵な方たちばかりで、すっかり魅了された。特に女性の先輩たちがキラキラ輝いて見え、こんな人になれたらなあと憧れた。「人」に惹かれて入部を決めた。

入った後もつくづくいいサークルだなあと思うことばかりだった。

元々インカレを謳っているサークルだったが、それぞれのメンバーが高校のときの友達や先輩後輩を誘ったりして、サークル内はいろんな大学の学生が集まっていた。ひとりしかいない大学の人もたくさんいたけど、皆すぐに仲良くなった。

一番いいなと思ったのは、特定のグループができなかったことである。

活動日以外も、食事に集まったり、スポーツ観戦に行ったり、バレーボールやバドミントンなどのレクレーションをしたり。学年も越えてそのときに都合のいい人が集まるから、その日によってメンバーはいつも違う。居心地がよくて楽しく、都合のつく限りいろんな集まりに参加していた。その場にいられることを誇らしくさえ感じていた。

勉強も私なりに頑張ったと自負しているが、大学生活の大半を占めたのはこのサークル活動であった。サークル活動で子どもたちと接したことからヒントを得て、卒論のテーマも決めた。

3年生になって会計の役職に就く。部長副部長はすぐに決まったのだけど、会計が決まらない。得意分野ではなかったが、サークルのために何かできるならと手を挙げた。

どうにか半年の任期を務め、次の学年に引き継ごうというとき。今までうやむやになっていた会計に関する規則を、引き継ぐ前に正式に決めてしまった方がきっとこれからスムーズに活動できるだろう。私たちの学年でそういう結論になり、ミーテイングの場で決めることとなった。会計としての最後の大仕事だ。どういう風に議題にあげようか悩んでいたとき、前々任の先輩からアドバイスをもらった。

 

物事には必ずいい面と悪い面がある。長所ばかりということはない。だから、それぞれの長所と短所を提示してあげると皆も決めやすいんじゃないかな。

 

目から鱗とはこのことか。

どちらかを選ぶとなった場合、私の癖として、片方が正解の道で、もう一方が間違いだから、正しいほうを選ばなければならない、と考える。しかし、どちらを選んでもいい面も悪い面もあるのだから、それらを比較して自分にとって利点が多いほうを選ぶ。そう考えたら選ぶのも少し楽になった。

それ以来、就職、退職、引っ越しなど、迷ったときにはいつもこのアドバイスを思い出す。最近ではこの考え方を応用して、選挙でどの候補者に投票するかも決めている。

これからも私の心の拠り所となり続けるだろう。