犬をお迎えするために家族会議を開いた
口には出さないだけで、家族も犬とまた暮らしたいと思っていると確信していた。だから気軽に「また犬が我が家に来てほしいなと思っている」と口火を切った。
でも気がかりなことがひとつ。
もしそうなった場合、やっぱりよもぎ(故犬)もお世話になった動物病院に通うだろう。家から徒歩5分の近所にある。
よもぎは基本健康だったので、通院は年2回だけだったのだが、病気になった最後の2カ月は、2日に1回通った。暑いこともあり、近くということがどんなにありがたいことか身に染みた。
先生も親身になってくださるし信頼している。ただ、なんと説明したらいいのだろうか。たまにsnsなどで、診察台に乗っている愛犬の写真や動画を撮って載せている飼い主の方がおられるが、そういうことができそうにない雰囲気の病院なのだ。そんな先生のところに新しい子を連れていったらどう思われるのかなと考えたりするのだ。
そしたら家族も「同じこと思ってた」とのこと。
やっぱり?空気が一気に和らいだ。
「でもあっちも商売だしさ」と励まし合う。
これから犬を迎えるにあたって、共有したいことを話し合った。
まずは、どんな子なら我が家でもお世話できるか。
身体があまり大きくならない女の子がいい。そして柴犬にはこだわらないが、定期的にトリミングをしなければいけないのはちょっと難しそう。
毛と言えば、柴犬の毛の抜け方は半端なかった。これも柴犬あるあるだと知ったのはだいぶ経ってからのこと。換毛期の抜け方といったらもう。小よもぎがもう一匹できるくらいの量だ。
ちょうど今くらいの時期、我が家は部屋中毛だらけだった。ズボラな私が1日2回掃除機をかけていたにかかわらず。救いだったのはよもぎがブラッシング好きだったことである。食べ物を見せても来ないけれど、ブラシを持って見せると、しばらく考えたのちではあるがこちらにやって来た。
今年はもう毛だらけにはならないけど、その分掃除機をかける頻度は確実に減った。柴犬がいてもいなくても結局我が家は同じということが判明した。
もうひとつ驚いたのは吠えなかったこと。犬は吠えるものという先入観が見事に覆った。そもそも口を滅多に開けないから、いつもムスッとした顔に見えてそれも可愛かった。
あまりにも静かなので、どこにいるのか分からないこともしばしば。そして静かに悪さをしていることもしばしば。
閑話休題。よもぎの話になると、いろいろ思い出してついつい長くなってしまう。
次にどこからお迎えするか。
真っ先に思いつくのはペットショップだけど、保護施設はどうだろうか。
よもぎをお迎えする前も考えたことがある。ある動物病院の里親募集のお知らせを見つけ、遠いところではなかったので行ったみた。
保護された犬たちがいると思っていたら、あれ?そこには写真が貼ってあるだけだった。
沖縄の山で保護した子たちで、現在沖縄にいるらしい。その写真を見てみると、ピンボケの写真がほとんどで、よく動く元気な子たちということは伝わってきたのだが、どんなお顔でどれくらいの大きさなのかよく分からない。
システムとしては「この子をお迎えしたい」と連絡して了承してもらえたら、飛行機に乗ってやってくるらしい。
どんな子かよくわからないままお迎えするのは危険すぎるので、そのときはやめておいた。
また保護施設は単身者、高齢者お断りなど審査が厳しいという話もよく耳にする。それ以外にも審査項目があったら、我が家は果たしてお眼鏡にかなうのだろうかという不安もある。
これらは昔の話と人から聞く話だし、想像であれこれ考えていても話は進まない。これから情報を集めていこう、ということで会議は終結した。
我が家は犬をお迎えする方向で動き始めた。